【FB転載】2022/10/07 愛農農業高校がgood design賞ベスト100に選定されました

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愛農農業高校がgood design賞ベスト100に選定されました。
紆余曲折ありましたが半世紀を経たコンクリート校舎の減築を伴う改修木造校舎の建設、問題を抱えた既存の建物群の改修の検討、マスタープランの策定、、、さまざまにかかわりました。
どこにもない、ここにしかない愛農会という共同体、その愛農会が生み出した小さな農業高等学校。戦後、たくさんの共同体のこころみがありました。愛農会は農とキリスト教を背骨にしたそうした共同体のひとつとして始まります。在野のキリスト者小谷純一の主催する塾をその出自とします。たしかデンマークの牧師哲学者グルントヴィに共感するひとと聞きました。
建築家にとりグルントヴィの名はあの膨大な社会住宅群の中に聳えるグルントヴィークス教会、設計イエンセンクリント、で知られます。
今回の受賞は愛農高校の独自な「教育プログラム」に対するもの、とのこと。存在、役割、成果、それらすべてについてのものであり、建物の果たした役割はそのほんの一部にすぎません。それでもとても嬉しい。
いわむらかずお絵本の丘美術館の原っぱで今森光彦さんが「あそこにあの安心できる建物がある、だからこうして長い時間この草原で虫を追いかけていることができるんです」と話されたことを思い出しました。フィールドで仕事に励む高校生、彼らにとり今森さんのいう安心できる建物に改修することの大切さを思います。
愛農高校の仕事に携わるきっかけはいわむらかずお絵本の丘美術館に先生がたが訪れてくださり私の仕事を体感してくださったことに始まりました。
おめでとうございます。
審査にかかわられた藤原 徹平さんのコメントです。
  数年前に噂を聞きつけて、見学に行ったことがあります。私立の農業高校がどうしてできたのか、なぜ携帯電話が禁止なのか、彼らの営みの歴史に心が動かされました。 ようやく時代が彼らに少し追い付いてきたのかもしれません。未来をつくる学校だと思います。 野沢正光さんが丁寧に設計した建築を宝物のように慈しんでおられることが説明の端々から感じられ、建築設計者として本当に誇らしく思いました。