ソーラータウン府中

東京都府中市

©Tomomi Kitai

建設地:東京都府中市
竣工:2013年7月
規模:地上2階
構造:木造
・全体
敷地面積:2,150.40㎡(650.50坪)
・16戸平均
敷地面積:132.47㎡(40.07坪)
建築面積:57.71㎡(17.46坪)
延床面積:111.07㎡(33.60坪)

設計:野沢正光建築工房
構造設計:山辺構造設計事務所
施工:相羽建設
造園:ゾエン 蓑田真哉
設備:OMクアトロソーラーシステム(集熱+発電)
掲載誌:
 『住宅建築』2013年4月号
 『住宅建築』2019年10月号
 『住宅建築』2020年6月号(建築資料研究社)
 『新建築』2014年2月号(新建築社)

受賞:
 第18回日本建築家協会環境建築賞優秀賞
 長寿命環境配慮住宅モデル事業「園路がつむぐ庭物語」
 2020年度グッドデザイン賞 金賞

映像:
 youtube
 グッドデザイン賞作品ページ
 ベスト100プレゼンテーション

©Masamitsu Nozawa Building Workshop

©Masamitsu Nozawa Building Workshop

©Toshihiro Sobajima

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©Toshihiro Sobajima

©Aiba Kensetsu

©Toshihiro Sobajima

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©Masamitsu Nozawa Building Workshop

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『「うら」が「おもて」になる住宅群』
東京都の「長寿命環境配慮住宅モデル事業」(2011年)プロポーザルに応募,実施されたものである.公募は「本事業は,ライフサイクルCO2の50%削減を目指し,中小工務店の参画により,先導的な環境配慮住宅モデルを一般戸建住宅並みの価格で供給し,入居後の省エネルギー効果などの検証を行い,住まい方の提案などを含めて都民,住宅事業者に広く情報発信するもの」を求めるものであり,低炭素型都市に向けた先導的な環境配慮住宅の普及,新たな住まい・住まい方の都民に対する意識啓発,都内中小工務店の技術力向上と活性化などが目的とされた.敷地割や住戸の配置などプロポーザル応募時の基本計画は、施工した相羽建設,武蔵野美術大学建築学科長尾スタジオの学生など多彩な人材との協働に拠っている.
敷地は,南北に長く西側の道路には緑樹帯と街路樹が植えられている.元々都営住宅地であった時の歩道の切り下げを利用し,沿道の形を大きく改変しないよう,西側の宅地の駐車場を一部まとめて計画した.また敷地北西の2棟については,東側の道路から車を導入するよう計画した.各戸の通風日射を考慮しできる限りジグザグに住戸を配置した.
東西2列に並ぶ16戸の戸建住宅群は内に「コモン」を持つ.通常であればフェンスの並ぶ人気のないところになりがちな家と家に挟まれた「うら」を,均等に地役権設定を行うことで居住者全員が利用できる長い園路「コモン」としているのが配置計画上の特徴である.緑に溢れ「うら」は一気に「おもて」に変じている.(M.N)

「木造ドミノ住宅」
計画された16戸の住宅は、以前同じく東京都の事業である「東村山市本町地区プロジェクト」のプロポーザルで提案し、採択され実現した「木造ドミノ住宅」を展開・発展させたものである。地域の中小工務店に普及可能な技術により、長期利用(定期借地権の70年以上)に耐え、建物としての性能を下げることなくコストを抑えることが求められたそのプロポーザルにおいて、我々は徹底した工事の合理化、スケルトン(サポート)・インフィル住宅の提案を試みた。その提案の過程で生まれた、内部に耐力壁を設けないがらんどうな空間=「自由な平面」を木造でもって獲得した住戸を、コルビュジエの提唱した五原則の1つにちなみ「木造ドミノ住宅」と名付けた。耐力壁を外周部のみに集約することに加え、給排水や電気設備の配線配管を躯体内に埋設しないこと、非耐力壁となる間仕切り壁の施工前に床を先行して施工することなど、間取りの変更や設備機器の更新が容易に行なえるよう工夫を施すことで、家族構成や生活の変化、住み替えに対して非常に柔軟に対応が可能である。(K.I)