世田谷区立宮坂地区会館

東京都世田谷区

建設地:東京都世田谷区
竣工:1990年5月
規模:地下1階+地上3階
構造:鉄筋コンクリート造・SRC造・鉄骨造
敷地面積:1,346.13 ㎡(約408坪)
建築面積:898.60 ㎡(約272坪)
延床面積:2,584.49 ㎡(約78坪)

設備:空気式太陽熱集熱システム
設計:野沢正光建築工房
施工:東急建設
掲載紙:『新建築』1990年11月号(新建築社)『日経アーキテクチュア』1990年10月29日号『日経アーキテクチュア』1991年2月18日号(日経BP社)

今回の計画は体育館をもつ地区会館と、シルバー人材センターという老人への職業斡旋を主な業務とする区の外郭団体の施設を複合したもので、そのほかの周辺の道路・鉄道施設の整備を含むものであった。コンペティションのタイトルが「世田谷線宮の坂駅界隈づくりコンペ」であったため多少の誤解があるようであったが、「駅」は計画実現の過程で東急電鉄・区双方の担当者の努力により改修されるはこびとなったものであり、コンペ当時のスコアと現実の条件としてそれほど整合したものではなかった。そして当方の呈示した「引込線」などという「思いつき」も、現実の法制の中では残念ながらそれと整合したものではなかった。こうしたいくつかの不確実な錠条件をかかえながら、地区会館+シルバー人材センターの「建物」は実施設計・建設と実施にむけてスタートを切り、「周辺整理」は先に述べたごとく建物の完成に間に合うように検討され実施されていった。

そしてこの間に「引込線」は、江の電に嫁入りし役目をおえた旧玉川電車の車両の終のすみかと形をかえ、東急宮の坂駅のプラットホームもその地区会館側を改修することとなった。なんとか審査員の目に止めようと計画した応募案はそれを実現するために多くのエネルギーを要するものであった。地下に埋め地上に半分顔を出した体育室、それをまたぎ会議室などをその上に頂き中に諸機会を納めるSRCの大架構、ふたつの棟の中央を抜ける駅へのブリッジ、屋根での集熱を体育室・多目的室の換気と暖房に用いる空気集熱システム、ガルバリウムパネルの試用、床用グレーチング利用による手すり・ルーバーなど、多くの関係者の協力により当初の思いに近い形で交代することなく実現できたと考えている。