飯能の住宅改修

埼玉県飯能市

©Masamitsu Nozawa Building Workshop

建設地:埼玉県飯能市
竣工:2020年6月
規模:地上2階
構造:木造
敷地面積:565.26㎡(約171.0坪)
建築面積:96.47㎡(約29.2坪)
延床面積:129.59㎡(約39.2坪)

用途:個人住宅
設計:野沢正光建築工房
構造設計:山辺構造設計事務所
施工:春田産業
掲載誌:『住宅建築』 No.488(建築資料研究社)

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町から離れた山あいの集落に建つ住宅の改修である。
敷地は河原に面して眼下には清流の川面が広がる。
この場所に建っていた既存家屋は、解体された民家の古材を再利用して建てられ、建物よりも長く使われ、建物規模にしては大きい古材と、それらを扱うことのできた大工の丁寧な仕事が見受けられた。一方で近年に数回行われたらしい増改築により間取りは煩雑になり風通しと眺望が遮られ、またその増築部は構造的な問題を抱えていた。
母屋は補強することで十分に「スケルトン」としての強度を有しうることから、改修は増築部の減築を主として、不足していた基礎の増設、断熱の付加、間取りの変更に伴う耐力壁の設置を行った。増築部を取り払ったところを整えるように構造的な補強を兼ねたアトリエと水回りスペースを添えることで、既存母屋の軸組を活かし、風通しの良い大らかな空間をめざした。1階下屋は屋根面に断熱を施し古材による小屋組みを現しとした。既存建具を再利用し、鴨居の高さと外部開口の高さを既存のその高さに合わせ開口幅を広げるように引き込み方を調整した。結果として、緩やかに仕切られながらも水平方向の空間の連なりが顕著となり、従来の日本家屋的スケールを踏襲しながら今日的な生活様式にも適する空間となった。(T.S)